九州歴史資料館「聖地四王寺山」

大野城築城から近世の四王寺山三十三観音造像安置(及び近代のその再興キャンペーン)まで。先月見学。

第一展示室の三分の一くらいのスペース、四十件くらい。



古代山城→敗戦百年、城不要っぽくなり国家鎮護の寺に?→末法!経塚センター→中世になり中腹斜面に原山無量寺(無量寿院)一遍、栄西などとの関係、学僧の活動、地域のセンター?また信仰空間として山内に磨崖石塔群→(戦国のあんなこんな。岩屋城)→近世、信仰復活の運動?寛政年間の四王子山三十三観音石仏造像、近現代に入ってからもキャンペーン。

大野城の刻書木柱、門扉用?の軸受け金具とか最古級だったり国内にも韓国の古代山城にも例のないレアものだったり。四天王寺式に近い7世紀の瓦とか。8世紀のは鴻臚館式

四王寺の什物はほぼ残っておらずそれと思しき山頂近く出土の水晶軸端、国分寺跡出土の「四王」銘瓦とかのみ。

四王寺山経塚群出土品もろもろ
毘沙門堂経塚の、経筒に木製台座や木製内容器とか、外カバーとして丸瓦2枚がついてたり。
埋納経のハンディサイズ法華経。8巻。美文字というんではないが字を書きなれたっぽい筆、字のサイズ揃っててとても読みやすい文字、傷みもとても少ない
滑石製の如来立像、2尺くらい、12c、光背とか袖、裾なんかは粗いというか彫りなれない感じが残るが頭部、頬から首、胸・襟あたりの正しい質感っつうか肉感や線はこの頃の正統派なふう。横から見たときの身の薄さなんかも。中央のケハイ。
上記は宇美八幡宮の所蔵(重文)。地図見ると四王子山は川スジたどると宇美側からのお山様な気がする。大宰府側からのお山は宝満山ぽいような。気がするだけだけど

その他銅製、陶製経筒各種。フォルムにバリエーション。陶製のはメイドイン宋、大陸系の人名ぽい墨書とか。

伝四王子山のモノとして奈良博所蔵の経筒などが里帰り?展示。
普賢十羅刹女像の最古例の線刻画がある銅製輪積式経筒、法華曼荼羅の梵字刻印のある滑石製外筒がセットで。10センチほどの金銅如来立像つき宝塔形金銅経筒。ともに重文。

一遍聖絵(国宝の清浄光寺の)の複製、大宰府原山の一遍のシーン。原山無量寿院(無量寺)の資料はあまり多くない様子。中世のモノは寺号銘のあるウツワとか、原遺跡出土の埋納品とか。あと銭弘俶八万四千塔のパーツ(!)とか出土してるのかへー。絵図があるが原八坊の末裔宅に伝わる江戸期のもの。

室町の磨崖宝塔拓本4点・うち3点が同年制作?5尺程度、2点フォルムの似たのもあるがあとはデザインが違う。

存在の大きさというか影は大きいのだがそれに対して残ってるものが少なすぎる感がトテモ強い。足利尊氏あたりから大内大友島津とかまでドタバタでブルドーザー式に消えうせてるかなあと。

その後の復興運動か、江戸に入ってから三十三観音石仏設置、千手観音の拓本、岩肌を光背型に彫って観音さんを浅い半肉彫り・像自体は2尺くらい。柔和で素朴な彫り口だがバランスのよい5頭身で玄人仕事ぽい。
つうか三十三観音とかあるの知らんかった。昭和前半の案内パンフ、ウォーキングマップ数種。現在はどこも出してないんかのう。



企画展とは別枠だが、同展示室内に近隣エリアの首羅山遺跡(久山町)白山神社経塚出土の経筒セットが常設コーナーに展示。四段積式経筒、中国人名アリ、メイドイン宋の外容器、ふつくしい色の青白磁合子。天仁2年。大陸との関係の強いマボロシの一大中世山岳寺院。

常設のほうには他にも篠栗あたり(若杉山信仰)の仏像(寄託品か)など複数。平安期の中央正統系なカンジが強い。あとそこから1,2世代下がってなんううか地元系化してる像も。
若杉観音堂のちょっとパース変な千手観音(?)4尺くらい、四頭身寸詰まりだが重く鋭い神像的密度、頭頂面×5・正面化仏。9世紀?県文。
平安後期?の如来坐像、1尺くらいの坐像だが一木のみっしり系。近年の厚塗り金ピカでわかりにくくなってるのをCT→3Dプリンタで作成の同寸複製を並べて展示、もともとの森厳ぽさがわかるように。


とか見るにつけこのあたりの地域の戦乱とかで失われた情報の量が痛感されるような。そこじゃねーとか怒られそうだが。

常設とあわせてそんな数大量じゃないけど勉強になるwオノレのもの知らずとか軽く思い知るという部分で。
まーアレだやっぱ近畿とかだけ見てたんじゃわからんことは多いと思ふ


宝満山と一緒にセットで検討みたいな展示もやてほしいと思った

企画展 聖地四王子山
九州歴史資料館 2013年1月16日~3月10日 

2月24日で終わってしまったが関連する内容のパネル展示もやってた。
「なかをのぞいてみると・・ 九歴の文化財をX線CTで診る」経筒、仏像の内部、土器や象嵌の構造、サビの奥の細工など写真パネル10組ほど。
「朝鮮半島の文化遺産 新羅の山城」大野城との関連で。ほぼ1970~80年代の撮影のもの。
内容が連携してる展示はせっかくなのでできれば同じ日にちまで置いておけばいいのにとか思ったり。

第2展示室にて「筑後考古学研究の黎明 田中幸夫コレクション展」4月7日まで。
氏お手製の資料採集マップとか展示キットとか超わかりやすい。つうか基本中の基本てカンジ

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