龍谷ミュージアム「極楽へのいざない」

 なんとなく前々回の絵解き展の延長線上な感じもスル。ヨソでは難しいテーマをできるのも仏教大学ならでは、というかなんで今までドコもやらなかったんだろうか的なネタが多い。今後もどんどこでっかい魚を釣り上げてください勉強させていただきます
 てかヨソの大学もがんばれネタは沢山あるだろーに(まあ展示じゃ儲からないのも確かデスが調査研究して発表してナンボではと←無責任)

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 目録上は160件とかだが絵画が入れ替えになるので1回では実質6~7割。(9月中旬の見学なので以下前期の内容のみ)

 過去にホームのお寺さんとかこの前の浄土イヤー(違)の各地での展示とかで拝見したものも多し。特に岡山県立博物館の「法然上人と岡山」に出てたの率が高い(テーマがアレなので当然ではアル)けども中心テーマが違うので焦点とゆうかピックアップするポイントも違う。歴史の資料の多重性(えらそう)

 2階がほぼ仏画フロアで彫刻以外は大体前半後半で総入れ替え、3階が迎え講フロアになっとる(←ざっくりすぎな客)。
  
 迎講のコンテとかシナリオとしての扱いで阿弥陀来迎図オンリーかと思ったらおよそ浄土系の往生観についての仏画をカバー。阿弥陀サンのほかお釈迦サンからお地蔵さんピンの観音さんまでよってたかって来迎してくれマス。アガリの浄土図(曼荼羅から見返し絵まで)とか兜率天曼荼羅、オラこんな死後いやだあなのかリアル死生観なのか六道絵十王図九相図二河白道(地獄草子安住院本は東博の木村淡香模写本だった)ちゃんと双六も出てたのがサスガだ・・
 まあやっぱ一番多いのが阿弥陀さんで山越、三尊、二十五菩薩。正面とナナメもあるでよ。立体動かないバージョン(彫刻)もこちら。立体動くバージョンが迎講。刺繍画が多いのは髪の毛結いこむからでしょうかやっぱり。 言いだしっぺ源信コーナー(肖像画と往生要集)、エルミタージュのクムトラ・カラホトの壁画のパネルとかもあって、2階部分だけで軽く浄土教美術ダイジェスト感

 
 3階がザ行道面ワールドなのだが単に羅列展示じゃなくて練り供養の伝わってる古刹ごと絵図や記録画・絵巻、参考写真とか楽器・荘厳具なんかと一緒で、再現性というかシアターの映像とかと合わせてなるべく実際のイメージを持ってもらいたい的な展示。迎講とゆう死のイメトレのさらにイメトレ 

 しかし近世以前は本来もっとあったんではなかろうか。マップ上は北関東東海北陸山陰四国九州と白紙で、他の系統の宗教劇の方が強そうな場所も多いがゼロということもないんじゃないかという。神仏分離の時に断絶したのもありそうな
 面だけ見てるとナチュラルに神楽や能と混じってるようなとこあるし。あと時期にもよるけど場所によって面打ちの系統というか絵柄がわりとハッキリしてておもしろい。仏師とか能面打ちの流派とか分布にかぶってるんだと思うが無知なのでわからんのが悲しい。しかし笑面とか舞楽面のアレだよな~仏像も行道面も神楽面も能面も舞楽面もひとつのスタジオで作ってるとか地方によってはあるんじゃ

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以下その他本筋とは関係ないセルフ検索用覚え書き

 入り口がいきなりこの前の和歌山県博高野山麓展の法福寺阿弥陀二十五菩薩なのが強烈

 浄土三曼荼羅。龍泉寺の當麻曼荼羅は稚拙とか言われてるが本気度はけっこう高い(と思う)執拗さいうか。元応元年。逆に真如苑蔵の新らしめ清海曼荼羅は筆力高くても本気度が足りない(気がする)同じ紺地に金銀なら子島曼荼羅とは言わんが古めの経巻見返し絵なんかでもっと宇宙の果て感出てるのある気がする。根拠はナイが
 成菩提院の兜率天曼荼羅、状態によるものだと思うがナナメ寝かせ展示、シカシむしろコレのほうが見やすいという・・軸モノは全部このカタチにしてほしいとか思うイキオイ(爆)いや本来の鑑賞角度ではないけども
 てかこれも中央あたりの天人の踊りっぷりはワリと気合入ってるけどノリノリ描写て鎌倉の途中からどんくらいのカンジで続くのか

 28の往生要集絵、絹本だけどもカナ字に画面の構成のイマイチさ(完全シロウトという絵ではない)がこの頃になるともうあの絵巻番長ほどの地位でなくても制作OKな普及感。
 當麻時奥院十界屏風◎、軸物とかでは出せない広大無辺感。パターンでない正統派のウデ。個人的に好きな絵、何度見ても飽きない
 水尾弥勒堂の十王図。上部の十王の線の頼もしさとオッサン臭。鎌倉時代になっとるが近世絵画臭、というかむこう風なのか
 大念仏寺の九相詩絵巻。やまと絵風にしようとしてるが顔の輪郭とか稜線のとり方とかついカッチリしてしまう雲とか点苔?打ってしまうみたいなカンジが狩野派臭。

 岡山寶福寺の地蔵菩薩十王像◎岡山県博で見た。大陸正統+やまと絵正統÷2な感じ、これくらいのだと時期的には新らしめに入るのかもだがまだかなりクラシカルな本気度。
 皆金色阿弥陀来迎シリーズはパターン化というか量産臭のするのが多い(個人の感想すいません)金地に截金、人物ホトケ面積大きめのベッタリ感が院政期前後とは別の美的感覚。カネのかかり方にそれほど差はないような気がするがどうなんでしょうか。鎌倉でも松尾寺の来迎◎60は一世代前の感じ、66永観堂の◎は同じ皆金色でも彫刻のカキワリバック風と独特、同じく永観堂67◎は厨子扉という構図上の縛りからか腰入れて踊ってはいるけども上品というかおとなしめ、踊りっぷりに時期は関係ないのかどうなのか。
 しかし室町あたりのは菩薩の顔がわりと普通に美人画に見える件   

 絵画の二十五菩薩は一定の時期からノリノリすぎる感じのが増えてくる印象があるんだが(早来迎とか有志八幡講の聖衆来迎図とか見ても最初からとゆうワケじゃない感じ)田楽なんかの影響とかあるんじゃなかろうか
 おもしろいのが江戸のヤツで半肉彫りレリーフの山越阿弥陀、丸め跡がつかず持ち運びに便利な三面鏡タイプの来迎パネルとか、コレご臨終時に枕元に置くんだろうがヘンに機能的なのが時代の変遷というか信仰のビミョーな変化というか?
 
 彫刻は2階のシナリオとしての浄土美術フロアと3階の寺別練り供養フロアに分かれて展示、モビルスーツ阿弥陀の他はわりと定型タイプ阿弥陀ーズ。尾道浄土寺定朝タイプ、岡山安養寺の平安後期中国地方ぽタイプ、護念院本尊とか滋賀正福寺とか誕生寺の典型来迎のバリエーション。當麻寺護念院本堂のは11c初頭(納入品あり)のワリに厚いコワモテ系、両さんマユゲ顔。岡山県博の14c宝冠阿弥陀が1件。
  
 米山寺の来迎され役小早川隆景像。寺へのスポンサーっぷりと、自分の逆修をしとくという武将の信仰のモデルパターン。日本での「いったん死んどく」式の思想とゆうのは迎講より古いんではないかと思うんだがどうなんか。単に浄土経思想の視覚化演劇化てだけで済まないような気がしたり
  
 行道面の群れ↓
 當麻寺の菩薩面、この前の葛城市歴博は行けなかったが数点来てる、時期で絵柄の推移
 米山寺の天童面。鎌倉孝養太子顔。
 元伊勢籠神社神面。おこ系神像の顔。祟る系。16c
 四天王寺のは菩薩が女面に見えます。近世
 浄土寺、御調八幡宮、東大寺あたりはさすがに揃いモノそのまま、中世彫刻の顔
 法隆寺の少ない。聖霊会で使う太子像は別としても八部衆とか来てないのか~
 吉備津神社、高野山、舞楽面テイストのが混じってる
 長野のは室町時代で半分能面だし、矢田寺は明治ので神楽面と混じってる
 

 当麻寺のお練りのあのステップは修羅モノ能とか連想する。花道。自分で渡らなくていい二河白道。
 そういや菩薩役の衣装なんかの綾錦っぷりもほぼ能装束ですか状態なのだが、最初からああなのか。記録画的な絵巻や刷物は仏画仏像の設定どおりの薄着描写(リアル菩薩扱い)が多いようなのだが
 
 しかしシアターの参考VTR、編集とかスーパー、ナレとかはハンドメイド感だが(学生さん?)素材と話の焦点がかっちりしてれば別に何の問題もない件。結局當麻寺と弘法寺二ヶ所ぶん見てしまったのでその後の予定が流れた件。弘法寺のほう法螺貝吹いてる場面あって気になった
 
 それと毎回なるべくわかりやすく的な図解パネル解説パネル


 あ、あと数えてみると地味に絵巻まつり。前期だけでもけっこうな数。 



 歴史好きとか美術好きとかの感じではなくごく一般の個人のお客さんが多いっぽかったのが印象的。シアターとか展示室での会話が耳に入ってくるの聞いてると、わりと近隣の中高年の方でご夫婦とか友達小人数グループみたいな人が多いようだった。あと学生サン。薀蓄とかでなくて身近なお寺さんや行事の話とか身の回りの知人親戚ネタなどに引き寄せての会話が多かったカンジ。たまたまかも知れんが(ちなみに平日日中)よいことのような気がスル

 高野山有志八幡講の聖衆来迎図東博の下村観山模写があったがコレこのあとで行った高野山霊宝館でも模写展示だった。なかなか原本たんに当たらない。これも縁か

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極楽へのいざない 練り供養をめぐる美術
龍谷ミュージアム 2013年9月7日~10月20日

巡回・岡山県立美術館 2013年11月1日~12月8日
図録アリ



 古今東西仮面・音楽・マツリは死と再生の儀礼にツキモノ
 田楽や能、神楽、舞楽とかの成り立ちと無関係なワケないと思うが素人には難しすぎるので逃亡します(脱兎 

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