九州国立博物館・太宰府天満宮宝物館「山の神々 九州の霊峰と神祇信仰」

 竈門神社のはじまり(伝)1350年記念、福岡県を中心に九州の山岳信仰および宝満山・英彦山について紹介、全部で40数件。前者15件を九州国立博物館常設フロアの1室、後者20件強を大宰府天満宮宝物館の第2第3展示室で展示。

001_convert_20131023162459.jpg002_convert_20131023162531.jpg


■九博3F展示室

 彦山・宝満山ほか九州の霊山数ヶ所から1件ずつくらいのカンジで出陳。あまりゴリゴリではなくあくまで紹介といった風だけども神像、観音像、懸仏、縁起絵、絵図、鏡、笈など山岳信仰の要点がわかる品々

・彦山三所権現御正体◎(三面の1)懸仏型の銅像、三神のうち僧形神。童子像のような面相(チラシ表)
・男女神坐像異なるタイプの(熊本・大行寺山、求菩提山国玉神社)仁冶三年の墨書有り洗練されたタイプだがコワさのあんましない女神僧形束帯3躯揃い、12c木の塊感の強い空気は共通だが絵柄の違う女神僧形菩薩型?3躯。全体的にある時点から人の言葉の届かなそうな暗いコワさが薄くなるのは社会の構造の変化に応じて人の世界観が変わるからではないんだろーか。
・十一面観音(阿蘇北部小国・千光寺)12cみっちり感森厳感の残る木の厚み・線の太いシャープさの等身立像、労働者ぽい掌が印象的
・線刻菩薩鏡像(二丈岳)12c中央ふうの巧みな絵柄、立体型十一面観音懸仏(蔵持岳)宝治元年銘、叩出しとかでなく一体の坐像を円盤に取り付けたカタチ像は正しいバランスのボディ、水乞い・滝行使用の伝のある元代素文鏡(竈門神社)、古墳時代~中近世の古鏡群(宮崎南郷・神門神社、百済王定住伝承)
こまわんこ狛犬・獅子、鎌倉リアルの川下なカンジの川原を一緒に散歩したい大型犬(違)手足に退化した翼(竈門神社15c)、もろ宋風石造片割れいなくてさびしい玉遊びわんこ(マユゲがことに寂しそう)篠栗若杉山13c南宋あたり宗像大社神宝館の人に似てる
・縁起絵(高良大社17c、大型2幅対・神功皇后ストーリーの説話図幅と参詣曼荼羅式社頭図幅)、絵図(雷山・元禄~宝永年間、絵面がこの時期の実情と合わないのでフィクションか古図の写しか)
・金銅装板笈◎(英彦山・元亀三年銘)

・1件長崎多良岳の平安不動三尊のみ11月6日からの展示なので未見

 数は少ないが総合的ラインナップ、山岳信仰の基本的な要素のほかこまわんことか薩摩塔とか南宋モノとかあって大陸側の要素が見えるのも九州色?

 あと企画展の会場内には特に案内がナイが、常設フロアのオープンスペースに求菩提山の銅板経が通年常駐してるのでお急ぎの方もお見逃しなく






■大宰府宝物館

 宝満山と英彦山。宝満山が金剛界で英彦山が胎蔵界
 3室ある展示室の第2第3使用で手前からパブリックな感じの資料(神像、縁起類、絵図、文書、額など)先のほうに近世修験の具体的な活動関係(入峯・祭礼の記録、宝印・版木、札、法具、山伏マニュアル類など)

・入り口にイキナリでっかい17c彦山木製立体模型があってビックリはじめて見たw。ルートの確認とかに使ったのかと思ったが税務署お役所対策とかのようだ。寺社も普通に法人(違)、平戸藩(はるばる)のきっちり英彦山絵図(19c初?)、最古級だけど距離感SFな宝満山絵図(17c後半。長門や名護屋が島になっとる) 
・彦山流記は13c初頭。布教用オムニバス
・竈門三神坐像16c女神×2と束帯男オーソドックスタイプ?(女神のファッションは石清水八幡の室町の人とかのアレ)に比べ彦山三所権現17cがものっそ大陸風で媽祖像かと。つうのは言いすぎだがシカシ長崎の古寺とかにしれっといそうな感じではある。女神・僧形・むこうの役人スタイル。あと彫刻はもと宝満山の奥の坊、神仏分離で山を降り現在博多の市中にいる大黒さん16c。いずれも基本1尺程度
・大宰府所蔵の16c宝満山鍛冶作の脇差、山に金物はつきもの
・龍造寺の起請文、九歴の戦国展のほうにも出てたがこっちにも出張中
・法具もおおむね江戸以降だが16cくらいのもある

 ホームの館で見たモノもいくつかある(重要なモノで今回来てないものも結構)。シーズン中参拝&山歩きの人が多い時期でも結構ガラガラなのでもったいねー。だいぶ失われているとはいえ見ごたえあるボリュームなので皆様見に行って下サイ。英彦山はスロープカー駅にも山内坊家に残る資料の展示室あり両方見るとかなり充実。
 篠栗若杉山関係とか薩摩塔、経塚関係などは九州歴史資料館にもある。常設展示で見られる場合も。




 年明け大神社展の巡回が来るのでその前に。個人的には同時開催がよかったのにとか思うのだがそうもいかないのかにょ。
 

トピック展示 竈門神社肇祀一三五〇年記念 山の神々 九州の霊峰と神祇信仰
九州国立博物館・太宰府天満宮宝物館 平成25(2013)年10月22日~12月1日



 しかしアレだこうして見てると信仰というのの相当部分がお山様というか。自宅の近所の低いお山もそうだしな
 オカで生きるのに不可欠な真水は基本川だし川を下さるのはお山様だ
 祭神の設定とかあるけど神功皇后とか応神とかイザナミイザナギとか(三尊三所にしたがるのも)後設定で、本来名前の必要のないその土地のただのカミ

コメント


トラックバック

↑
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。